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設計デザイン

豊川の家

house

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物件名
豊川の家
用途
住宅
所在地
愛知県豊川市
設計
class archi 株式会社
施工
株式会社 荒川工務店
構造設計
きいぷらん
構造
木造在来工法
規模
地上1階
写真
田中克昌
竣工
2021年5月

豊川稲荷から近く、昔は商店が建ち並び賑わいを見せていたことを彷彿させる住宅や商店が密集した場所の一角にその敷地は存在した。敷地の両側はぎりぎりまで二階建ての建物の壁が迫っていて、迫る壁からの影響を如何に無くして、自然を感じることと外部からの影響を極力少なくするという、相反する課題を解決することで、クライアントの精神の安らぎを獲得する必要性を感じた。中庭をつくるという選択は自然と導きだされる中、町との繋がりを意識しながら、寄棟の大屋根を真ん中から2つに割り、両側の迫る壁に相対する様にその2つ割の大屋根を内側に向けて2棟並べ、その隙間に中庭を配置した。相対する壁により商店街の建ち方に習うことで、まるで昔からそこに存在する様に街並みとの共存を目指した。 2つの大屋根はそれぞれに用途を分け、1つ目の大屋根は居間や食堂、水回りなど家族で過ごす空間、2つ目の大屋根は寝室や子ども部屋というプライベートな空間、それをワークスペースで繋いだシンプルな構成とし、中庭を介してそれぞれが存在することで、家族が何処にいてもお互いの気配 を何となく感じられる様にした。 また、居間や食堂、ゲスト用の和室は大屋根の形状をそのまま室内に現した天井の高いワンルームとし、実際の広さより広く開放的に過ごせる空間となった。 大屋根は駐車スペースやアプローチスペースまで張り出し、用途を持たせながら町との繋がりを意識した。 2つの大屋根が大らかに家族を守り、開放的な畳の居間でゴロンとしたり、キッチンとつながったこだわりの一枚板のダイニングで食事をしたり、家族同士の繋がりを感じながらまわりを気にせず生活できることで、精神の安定と日常の中のふとしたことに豊かさを感じられる暮らしができることを願っている。