"「なんか居心地がいいな」をデザインする " についてのblog
2014.08.22
「なんか居心地がいいな」をデザインする
私たちの事務所のデザインコンセプトなのですが、「なんか居心地がいいな」って、なんか具体的じゃなくてわかりにくいなぁと、お思いの方もいらっしゃるのではないかと思いまして、このデザインコンセプトについて少し書いてみようと思います。
もちろん居心地は個人差もありますし、目に見えるカタチが存在しません。なので、居心地を具体的に定義する事はできません。
実はこのコンセプトで大事なところは「をデザインする」の方なのです。
何気ない生活の中や、田舎の実家に帰った時、旅行に行った時、そんな中で居心地がいいなぁと、ふと感じたことは誰にでもあるかと思います。私はそれには理由があると考えているのです。
その居心地のよさは、懐古的な部分に関わる事もあれば、大自然だったり、ホッとするような広さの場所であったり、そこに居る人に関わってくることもあるでしょう。
そして、私はそれを必然的にデザインできると考えています。
その試みの1つとして、私たちの事務所では、設計を依頼して頂いたクライアントに20ページ程度のアンケート書いてもらっています。それこそ1週間から3週間、いままでの生活を思い返しこれからの生活に思いをはせながら、時間をかけて書いてもらいます。アンケートには建物には関係ないような、その人の生活や感じ方に関わる事まで書いてあります。私たちは何気ない言葉の端々から、クライアントのこだわりや想いを拾っていきます。そして、クライアントがどういった事に対して居心地が良いと思うのか読み解くのです。
もちろん導き出された居心地の良さを実現するためには、経験や感覚が大きく関わる部分もありますし、テクニックによって実現できる部分もあります。私はどちらも大事だと考え、与えられた条件や敷地や環境から、それを引き出す方法を模索します。
たとえば窓1つをとっても居心地を変えることができます。サイズ、景色の切り取り方、素材、厚み、窓以外の壁の広さなど・・・
その全てをしっかり検討しながらデザインすることで、なんか居心地がいいなぁ〜と感じる空間をつくれるのです!
居心地には理由があるのです。
その理由をデザインすることが、”「なんか居心地がいいな」をデザインする ” なのです。
class 新田